森の木の活用を考えていく
今、日本の木材自給率は少しずつ上がってきており、令和2年度は41.8%になったという報告が出ているようです。しかし、用途別にみてみると燃料用の木材需給量が増えているようで、CO2を減らすという観点ではどうなのだろうと感じています。木材を燃料として活用していくことも大切ですが、建築用用材や家具、木工加工品等として、修復しながらも長く利用していけるものに活用できればと考えます。 今回、木材加工について少し話していきたいと思います。住まいの中でも木材加工品は色々ありまが、最近では安くて扱いやすい樹脂系の製品も多くなってきており、本物の木材が使われている製品は少ないのかもしれません。「木が好き」といわれる方は多く、無垢材の家具やその他木材加工品を愛用されている方もいると思います。木は、香りや肌触りなど、人の五感を刺激して良い効果をもたらしてくれます。もっともっと、木材加工品を使ってくれる人が増えてくれればいいなと強く願います。
グリーンウッドワーク
まず紹介したいのは、グリーンウッドワークです。ご存じの方もおられるかもしれませんが、生木を利用して、スプーンや箸、皿、お椀などを斧やナイフを使って削って作るものづくりのことです。木の特徴を活かし、基本的に電気等のエネルギーを使わないため、とてもエコなんです。 私も初心者ですが、自分で生木を加工してものづくりをすると愛着も沸き、ものを大事にするようになったと感じています。よくスプーンを作りますが、1日もあれば加工できますし、早ければ数時間でできてしまいます。自分で作った木のスプーンはとてもお気に入りです。お手入れは多少気を使いますが、使えば使うほど味わいが出てきます。
ご興味のある方は、過去の投稿記事をどうぞ。
グリーンウッドワークにチャレンジ!木のスプーンをつくる
皆さん、「グリーンウッドワーク」というものをご存じですか?「グリーンウッドワーク」とは、乾燥していない ”生木” を手道具で割ったり削ったりして、暮らしの道具をつくる木工のことで、環境にもやさしいのです。斧やナイフなどを使い、スプーンや箸、皿、お椀、椅子などいろいろつくることができます。まずは、木のスプーンにチャレンジ
さらに詳しく、お知りになりたい方は、こちらをどうぞ。
グリーンウッドワーク協会 公式ページ
NPO法人グリーンウッドワーク協会の活動紹介ページ 2008年3月NPO法人認証。 岐阜県美濃市を拠点に会員・一般向けの講座を行っているほか、全国へ出前講座にも出かけていま…
デジタルファブリケーション
デジタルファブリケーションとは、デジタルデータを元にして、ものづくりをする技術のことで、3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作機械を使い、木材やアクリル、金属等を切り出して成形することができます。今回、森の活用を勉強する中で、「Shopbot(ショップボット)」という3D加工機を体験させていただきました。 「Shopbot」は、VUILD株式会社が輸入代理販売をされており、「Shopbot」を使った建築デザインやソフトウェアの開発等をされています。とても面白い取り組みをされており、利賀に「まれびとの家」を建設され話題になりました。「まれびとの家」は宿泊もできるようなので、興味のある方は予約してみてください。
まれびとの家
まれびとの家は、四季折々の景色が楽しめる、”現代の合掌造り”の宿です
VUILD株式会社の取り組み等については、HPをどうぞ。
VUILD
生きるために作り、作ることで生きる。そんな好循環が持続する、いきいきとした暮らしを実現したい。そんな風に誰もが皆、自分たちの力で、身近な資源を用いて、理想の環境…
私は今回、木のティッシュBOXを制作しました。仕事柄、CADが使えるため、2Dで加工図面を作りました。ついでに完成イメージも。
加工用のデータ入力はVUILD株式会社のスタッフの方に入力していただきました。デジタルデータを作成できたら、あとは加工機任せで切り出してもらうだけです。今回は利賀の無垢板(ホオノキ)を加工してもらいましたが、プラモデルのような状態になります。(下の写真)
これを切り離していき、あとは、ひたすらヤスリ掛けです。今回は無垢板材を切り出してもらいましたが、木材の含水率が多い場合は注意が必要なようです。ヤスリ掛けが終われば、組み立てます。3Dのイメージを作った通りの形にできました。初めてにしては上出来ではないでしょうか?
ホオノキは少し緑がかっていて素直で綺麗な木目でした。耳(板の端の木の皮の部分)を利用してアクセントにしています。また、チャレンジしてみたいと思います。
森の暮らしに興味がある方、森について学びたい方は、TOGA森の暮らし塾に関するHPを一度ご覧ください。森の暮らしのことや林業や農業のこと、森に関わることをいろいろ学べます。スポットでの参加もできます。 Facebookはこちら。
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