森の見方を学ぶ。植生調査をすることによって、そこから森の過去と未来を想像する。

植生調査とは

 植生調査とは、ある場所に生育している植物群落の様子を調査することを言います。その森がどのような植生なのかを調査し、そこから分かる情報を元に、その森の将来の姿を思い描き、利用の仕方を決めていくことになるのです。植生調査で分かることを下に例を挙げてみます。
  • どのような植物種で構成されているのか
  • 地域の中で典型的なものか、特徴的なものか
  • かつてどのような植生だったのか
  • 将来どのような植生になるのか
  • どの程度成長しているのか
  • どれくらい木材の資源量があるのか
  • 珍しい・貴重な植物がいるかどうか

                  …etc.

 人が森の資源を有効に活用しつつ、その森をうまく成長させていくためには、植生調査がとても重要だと感じます。

植生調査の実習

 植生調査の実習では、「毎木調査」と「下層植生調査」を行いました。「毎木調査」では、胸高直径樹種名樹高等を確認し、「下層植生調査」では、樹種名最大高さ植被率を確認します。
 今回の実習では、人工林と天然林の植生調査をしました。全く違う林を見ることができ、とても勉強になりました。

人工林の植生調査

 人工林は、スギやヒノキなど植林した林のため、木々がある程度綺麗に立ち並んでいるという感じです。地域によって植林の考え方は異なり、樹木の密植具合などにより日射の入り方も変わり、下層に生える植物も大きく変わってきます。また、富山など雪が降る地域では、樹木が雪で押されるため、根元部分は大きく曲がってしまいます。植生調査をすることにより、いろいろなことが分かります。その森が将来どのような姿になっていてほしいかをしっかりイメージして、森を活用することが大事だと感じました。

天然林の植生調査

 天然林は、人が手を加えず自然に生育した林です。人工林のようにすっきりした様子とは違い、そこに足を踏み入れるのが大変な程の状態です。いわゆる、藪の中です。基本的には、樹木は広葉樹になります。ミズナラ、クリ、ホウノキ、ナツツバキ、ウワズミザクラ、クロモジ、ユキツバキ、チシマザサなどなど。天然林は多種多様な樹種が生育しており、植生調査も人工林より大変なことが体験できました。調査後は、植生断面図というものを描きましたが、恥ずかしながら全く描けませんでした。
 今回も森に入り、そこに生育する植物を見ることができましたが、前回に見たはずの植物が見分けられず、なかなか覚えられません。今度、森に入った時にはもう少し植物の名前が言えるようになりたいなと思いました。
 森の暮らしを学びたい・体感したい方、TOGA森の暮らし塾は、スポットでの参加もできますので、是非一度HP等をご覧ください。
天然林

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