富山の杉を学ぼう!建築材としてもよく利用される杉ですが、知らないことだらけでした。

富山の杉

 今回、立山美女平の天然スギ巨木を見学することができました。「」は、建築材としても良く利用されるので、植林された人工林は何か所か見学したことがありました。天然林についてはなかなか見る機会がありませんでしたが、今回いろいろと教えていただきながら見学でき、とても勉強になりました。知らないこともたくさんありました。富山にこれほど素晴らしい森林があることはとてもすごいことだと感じています。建築の仕事をしているとすぐ建築材と結び付けがちですが、それは一つの利用価値として、多種多様な利用価値があると思いますので、これからはいろいろな視点で森林を見ていきたいものだと思います。
出迎え杉

美女平

 立山には、今まで何度か訪れています。しかし、美女平に来たのは初めてでした。今の時期は訪れる人も多く、駐車場はすぐに満車になっていきました。立山駅から美女平駅まではケーブルカーに乗ります。標高は1000m弱ほどです。美女平の森林はブナ林やブナとスギの混合林があり、説明を聞きながらゆっくり(?)散策することができました。
 今回、美女平の森林を散策して学べたことなどを下記にまとめます。
  • スギの産地はたくさんありますが、富山県のスギは、海抜0mに生えているスギ~標高約2000mに生えているスギまで見ようと思えば見ることができるということを初めて知った。日本で一番高いところに生息しているスギが富山県にあるということ。
  • スギの生命力を間近で見ることができ、その凄さを実感できた。折れた部分からまた芽が出て、株を取り込んで大きくなったり、スギから他の樹木が成長しているものもあり、驚きの連続だった。
  • 昔、加賀藩から木の伐採を禁止され杉を伐採できなかったが、一部分を剥ぎ取り、建築材等に利用していたということ知った。(これを「剥ぎ取り木」という。)今でもその痕跡を確認することができ、歴史を感じることができた。
  • 根上がりのスギも見ることができた。地面から根っこが上がっているスギであるが、どうしてこういう状態になるのか今まで考えたことがなかったが、その理由が分かった。樹木の生命力は偉大だと感じた。
  • 天然林の更新についても、実際の樹木を見て、理解することができた。「実生更新」、「伏状更新」等、座学で学んだことを実際見ると、理解度が上がる。
  • 美女平の森林は、天然林ばかりだと勝手に思い込んでいたが、一部、スギの人工林があること知った。
剥ぎ取り木

他にも色々勉強になったことはあったし、何より、自然を感じることができ、とても良い一日となりました。

美女平スギ人工林付近

森林研究所

 なかなか一般の人には縁のない森林研究所ですが、そこで、富山で力を入れている「無花粉スギ」について教えていただきました。私もいつからか花粉症(重度ではない)になり、あまり良いイメージがありません。ですから、「無花粉スギ」はとても興味がありました。実際、現時点で「無花粉スギ」の生産能力は問題ないように感じました。しかし、県内でどんどん増やしていくというのは、いろいろな政策で可能ですが、県を超えて富山の「無花粉スギ」を植樹してもらうことは、各都道府県の林業施策もあり、なかなか難しいのだということが分かりました。例え、良いものだとしても全国に広めていくことは骨の折れることだと感じました。「無花粉スギ」の開発についてもいろいろ大変なことがあったと思いますが、これから少しずつでも広まっていけば良いなと思います。
 森林研究所の敷地には研究のため、各地のスギが植えられていたり、広葉樹なども植えられています。とても綺麗に整列して植えられていて、山で見る人工林とはまた違った雰囲気で、面白かったです。これからも人の生活が快適で豊かになるような研究を期待したいと思います。
富山無花粉スギ挿し木
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ケーブルカー下り

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