森の暮らしを学ぶ
国土の約67%が森林である日本において、森を理解することはとても重要なことだと考えています。私自身、住宅の設計という仕事に携わっているわけですが、デザインや構造・省エネについて勉強する事は多くあっても、なかなか森自体や森の暮らしについて深く学ぶことはできていませんでした。しかし、「木の住まいづくり」というものは、当然、森の木を使うわけですから、森と深い関わりがあります。住まいづくりだけではなく、いろいろな分野でも森との関わりは少なからず有り、森とは切っても切れない関係なのだと思います。 これから、森の暮らしについて少しずつ学んでいくわけですが、仕事である建築設計の立場からだけでなく、幅広い視点で、森を見ていきたいと思っています。
現状の森林について、私は非常に厳しい状況だと感じています。森で働くことは危険も伴い重労働ですが、それだけで稼ごうとするととても大変です。森の資源は育つ(利用できる)までには多くの時間が必要で、今利用している資源は、先人たちが丁寧に育ててくれたものなのです。ですから、これから先も豊かな森林を残していくためには、若い世代にしっかりと引き継いでいかなければなりません。 少子高齢化が進む中、これからの担い手についても問題があると感じます。こういう厳しい状況の中でも、各地の山々では、豊かな森を次の世代に繋げていこうと頑張っておられる林業家の方も沢山おられますので、森の資源を大切に利用していけるように森を学び、考えていきたいと思います。
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