「ウッドマイルズ」って何だろう?環境負荷を考えた住まいづくりを考えていきたい!

設計者として環境負荷を考える

ウッドマイルズとは…

 ウッドマイルズとは、ウッド(wood)・マイルズ(miles)という字の如く、木材の輸送に関する新しい環境指標です。目的に応じて以下の3つの指標を定義しています。
  1. ウッドマイレージ(m3・km)
  2. ウッドマイレージCO2(kg-CO2)
  3. 流通把握度(%)

主として建築物に使用される木材の輸送距離を短縮し、輸送エネルギーの削減や地域材需要の活性化を目指します。設計者として、これからは環境負荷もしっかりと考えなければいけないと感じています。

1.ウッドマイレージ

木材の量(材積) [m3] × その木材が運ばれた実際の輸送距離 [km]

 距離だけではなく木材の量も含めた木材の総輸送距離として算出します。当然、距離が短い方が良く、できるだけ地域材の利用が望まれます。住宅などでは複数の産地から、異なる輸送距離を経て木材が運ばれてくるのが一般的です。大量に木材を運ぶ輸送経路もあれば、ほんの少ししか運ばない経路もあります。このような場合は、一度全ての経路のウッドマイレージを算出してから、最後に総木材量で割った、木材の平均輸送距離算出します。

2.ウッドマイレージCO2

木材の量(材積) [m3] × 輸送距離 [km] × CO2排出原単価 [kg-CO2/m3・km]

 運んできた木材の量と距離が分かると、あとは輸送手段が分かれば、輸送過程の消費エネルギーが計算できます。この木材の輸送エネルギーについて、輸送過程で排出する二酸化炭素の量に換算して示したものを「ウッドマイレージCO2」として算出します。

3.流通把握度

(木材の量(材積) [m3] × 経路が確実な輸送距離 [km] / 全体の輸送距離 [km]) / 木材の量(材積) [m3]

 原則として、全ての木材の流通履歴が分からないとウッドマイルズ関連指標は算出できませんが、使用した木材の全ての流通履歴が分からない場合もあります。
 実際の算出においては、不明な部分についてはある程度、推測のもとに算出します。流通過程において、確実に分かっている部分の割合を算出し、木材のトレーサビリティ確保の度合いとして明示することで、トレーサビリティ確保の意識の向上を促す指標が「流通把握度」です。 
 「流通把握度」は、使用した木材の総量(総材積)に対して、経路毎に確実に分かっているウッドマイルズの比率を該当する材積に掛け合わせて算出される、流通把握材積が占める割合で示します。
 最近では国策により、日本の木材自給率は上がってきていますが、まだまだ低いと感じています。住まいづくりにおいて、今でも海外から輸入した木材の利用は多いです。しかし、ウッドマイルズを考えると本当にそれで良いのかと考えさせられます。確かにコストは安く済むのかもしれませんが、環境負荷が大きくなり、自分たち自身を苦しめているのではないでしょうか?基本的には、自分たちに身近な地域材の利用がこれからの住まいづくりで大切なことだと考えます。
 近頃では、「ウッドショック」という問題も出てきています。国産材にシフトしてきている企業も増えていると聞きます。これからの動向はまだ分かりませんが、木材自給率を上げていくことは、国内を元気にするためにも重要だと思います。

 是非、「国産材で建てる住まいづくり」を実践しましょう。HOLZ-B住工房[ホルツ・ビーすまいこうぼう]では、そのお手伝いをします。

木材輸送

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