空き家の問題
今、少子高齢化社会といわれ、人口も減ってきている中、空き家が増加しています。所有者が分かっている空き家であればまだ良いですが、所有者がおらず、どうしようもない空き家も存在し、これからさらに空き家の問題は大きくなるのではないかと思います。解体するにも多くのお金が掛かり、古いものでは今の基準に合わず、直して住もうとしても新築並みのお金が掛かってしまうことも少ないくないように思います。しかし、そのまま放置してもどうしようもないので、しっかりと空き家を利活用することを考えなければいけません。特に日本は住宅寿命が短いと言われ、既存の建物を再生して利用していくことがこれからの課題です。
空き家の利活用
これからは、空き家の利活用が課題だと前述しましたが、空き家の利活用がされてないわけではありません。新聞などにも取り上げられていて、カフェやレストランのような店舗に改修して利用したり、ゲストルームのような宿泊施設として利用される場合もあります。古民家のような雰囲気が好きな方は多くおられ、そういった雰囲気を残しながら、うまく改装して利用されているものも多く見ます。私もそういう古民家的な雰囲気は好きです。 しかし、最近気になっていることがあります。私が設計という仕事をしていることもあり、構造はどう計画しているのか? 省エネ性は検討されているのか? など、新聞記事だけでは分かりませんが、すごく気になっています。コストが最優先され、構造性能や温熱性能が疎かにされては、折角、空き家を有効に活用したとしてもあまり意味がないと考えています。空き家の利活用は再生して長く利用していくことに意味があると思います。そのためには、構造や温熱環境の基本性能は疎かにできません。
これからの空き家改修
これから、空き家の改修は増えていくでしょう。物件の状態によって改修内容は様々ですが、状況をしっかり判断し、構造、温熱性、省エネ性等の基本性能をできるだけ高め、長持ちする建築としなければいけないと考えています。改修設計は面倒くさい部分も多く、日々勉強もしていないと難しいため、やりたがらない設計者も多いように感じていますが、これからは必要不可欠ではないでしょうか?そういう設計者がもっともっと増えてくれることを願います。 また、不動産業者の方の理解と協力が必要不可欠です。不動産業者の方は扱う物件が売るだけでなく、建築士とタッグを組んだり、グループを作ったりして、将来を見据えた不動産業というものがこれから増えていけば良いと思います。
これからは、空き家や既存住宅を長く有効に利活用していかなければいけません。長く利用するためには、下記の5項目が大切です。
- 耐震 ・・・・・・耐震改修を検討し、命を守ることが先決です。
- 劣化しにくさ・・・長く利用するには傷みにくい構法が大事です。
- 維持しやすさ・・・維持がしにくいと管理も疎かになります。
- 温熱環境 ・・・・健康で快適に住まえる環境は安心につながります。
- 省エネ ・・・・・環境にも家計にも負担を掛けず快適に暮らしましょう。
とにかく、改修して長く利用していくことにより、みんなにメリットがあるのではないかと考えています。新築もそうですが、改修でも、次世代まで長く残る建築を設計していきたいものだと思います。
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