ヘリテージマネージャーって何だろう?周りにも意外にあるかも?地域歴史文化遺産!

ヘリテージマネージャーとは

 皆さん、「ヘリテージマネージャー」というものをご存じでしょうか?マネージャーが付くから何かをマネージメントする人かなと分かるとは思いますが、ヘリテージって?全く聞きなれない言葉ではないでしょうか?

 ヘリテージマネージャー(地域歴史文化遺産保全活用推進員)とは、地域に眠る歴史文化遺産発見し、保存し、活用して、地域づくりに活かす能力を持った人材のことです。

(公社)日本建築士会連合会
 全国各地でヘリテージマネージャー養成講座というものが行われており、県内でも毎年ではないですが、養成講座が開催されています。

ヘリテージマネージャーの役割と必要な能力

 さて、ヘリテージマネージャーの役割とは何でしょうか?またヘリテージマネージャーに必要な能力とはどういう能力なのでしょうか?
  1. 地域に眠る歴史的建造物を発掘再評価する能力
  2. 歴史的建造物の保全・活用提案できること
  3. 地域固有の文化・風景について常に研鑽熟知していること
  4. 伝統工法の知恵に学ぶ謙虚さ確かな技術力
  5. 地域の人たちともに汗を流し、歴史的建造物が地域の財産として大切にされる環境づくりを行う
  6. 建築士が本来求められている職能と歴史的建造物の保全活用といった文化財保護的な考え方両立ができること

(公社)日本建築士会連合会

スケッチ_古い町並み
 まず、歴史的価値のある建造物を発掘、そして評価することが第一歩です。その辺にある古い建造物でも、もしかしたら、歴史的に残すべき建造物かもしれません。(その建造物がボロボロであっても…です。)
 そして、建造物をしっかり保全して、活用することが大切なのですが、特に、活用することが大事だと感じました。やはり利用価値の低い建造物を保全だけしていくのは限界があり、長く残していくことは困難です。地域でうまく活用できれば、地域のシンボルともなり、残すべき建造物となるのだと思います。
 さらに、そういった建造物を残していくうえで問題になるのは、いろいろな基準との整合性です。当然、古い建造物なので、現行の法律に合っていない場合がほとんどです。その中で、「価値」と「安全」の両立を考えることが重要になってきます。

もう一つの役割

 ヘリテージマネージャーのもう一つ大きな役割があることを知りました。それは、災害時における歴史的建造物等の保護活動です。
 まず、大きな地震等があった場合、建築物が安全かどうかを判断するため、資格を持った建築士等が被災状況を確認し、赤色や黄色等の紙を貼っていきます。それは、歴史的建造物等とか一般の家とか基本的には関係なく、判断されます。通常そのような危険性のある建造物は取り壊され、処分されますが、ヘリテージマネージャーの活動によって、歴史的建造物等は保護され、のちに再建等されていきます。これはとても大切なことだなと感じています。倒壊したから撤去するのではなく、残すべき建造物は、しっかり管理して残していくべきだと思います。
被災地
 先日、隣県の石川県で大きな地震がありましたが、その時も県内のヘリテージマネージャー状況調査に行っています。実際、大きな地震が起きると被災地である都道府県のヘリテージマネージャーは、そういった調査活動が難しいため、隣県から応援を頼む形になります。ですから、しっかりと保全する建築物等はデータベース化しておかなければいけません。地震が起こらないことが一番ですが、人の力でどうすることもできませんので、しっかりと準備をしておかなければなりません。
 私自身も現在勉強中ではありますが、歴史的建造物等、後世に残していきたい建造物を保全、活用提案できるようになっていきたいと思います。
 ヘリテージマネージャーに関することについてお知りになりたい方は、建築士会連合会のHP等を参考にしてください。
イラスト_古い町並み

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