省エネルギー基準
2021年4月より、300㎡未満の建築物を建てる場合、省エネルギー基準に適合しているかどうかを建築主に説明しなければいけなくなりました。適合しない場合は、適合させるための措置を説明しなければいけません。これから家を建てられる方は、しっかりと説明を受けてくださいね。 さて、省エネルギー基準とはどんな基準なのでしょうか?まず、省エネルギー基準は大きくまとめると2つの基準があります。一つは外皮性能基準、もう一つは一次エネルギー消費量基準です。下表にまとめます。
外皮性能基準 | 外皮性能基準は、断熱性能基準と日射取得性能の基準とがあり、 各地域によって基準値が決められています。富山の場合は、5地域 になります。 |
一次エネルギー消費量 | 一次エネルギー消費量基準は、外皮性能や面積を元に暖冷房、換 気、給湯、照明等のエネルギーを算出し、基準となる一次エネルギ ー消費量と比較し、オーバーしていないかを確かめます。 |
最近の住宅は、余程のことがない限り、省エネルギー基準を下回ることはないと思いますが、この省エネルギー基準というのは最低限の基準であり、基準ギリギリで設計すると、快適に生活するにはあまりにも性能が悪い住宅になります。性能を良くすればするほど、当然コストもかかりますので、「性能」と「コスト」のバランスが大切になってきます。また、コストについては住宅の建築費だけでなく、建てた後の光熱費等も考慮したトータルコストで比較することが重要です。建築時のコストが高くても、十数年すればトータルで得をするような住まいづくりを是非考えてほしいと思います。それが、地球にも優しい住まいになると思います。
少し、省エネルギー基準の計算についてお話ししたいと思います。
省エネルギーの計算は、計算する建築物単体の評価であって、周辺の環境はあまり考慮されていません。したがって、隣地に大きな住宅等の建築物があったり、敷地にすごく接近して建っていたりすると、計算で求めるような日射取得とならず、計算値とはズレてくることになります。(それは、メリットとなる部分とデメリットになる部分、両方あります。) ですから、周辺環境をしっかり把握して設計しないと、いくら「この建物の断熱性能は、○○でとても良いです。」と言っても、必ずしも性能が良いとは言えないということです。断熱性能はとても重要なのですが、それに加えて、夏の日射をどう遮るか、冬に日射をどう取り込むかということが、さらに重要になってくると考えています。
是非、しっかりとシミュレーションしてくれる設計者に相談してください。
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