住まいづくりで大事にしたい植栽計画

植栽のすすめ

 住まいづくりでは建物本体も大事ですが、外構や植栽の計画もとても重要です。外構や植栽は全体予算の関係から後回しにされることも少なくないですが、できるだけ住まいの計画に合わせて外構や植栽の計画をお勧めします。
 樹木を植えることによって生じるメリットはたくさんあります。たくさんある中から注目したいメリットを3つほど挙げてみます。
  1. CO2の削減に役立てる
  2. 樹木の緑でリラックスできる
  3. 住まいの外観デザインの向上リスト

1. CO2の削減に役立てる

 皆さんもご存じのとおり、樹木(植物)は「光合成」というはたらきを持っています。これはざっくりいうと、二酸化炭素(CO2)と水を吸収し、デンプンと酸素を作り出すはたらきのことです。ということは、樹木を植えれば二酸化炭素を吸収し、環境に役立つのか…?しかしながら、それはそうも簡単な話ではないようです。
 では、二酸化炭素(CO2)を削減するためにはどうするのか?それは、住まいで使うエネルギーを減らさなければいけません。そのために樹木を植えることによって日射をコントロールすることが重要だと考えます。夏の日射遮蔽と冬の日射取得を十分検討することにより、エネルギーの消費を抑えながらも室内の温熱環境を良くすることが出来ます。(住まいの断熱性能を高めることは大前提となります。)

2.樹木の緑でリラックスできる

 樹木は人の体に良い影響を与えます。個人差はあると思いますが、人が持つ五感を刺激し、リラックス効果を得ることができます。人が求める情報のうち、8割は視覚から得られるといわれています。樹木(緑)を見ることによって癒しが得られ、ストレスの改善にもつながります。他にも風に揺れる音だとか、木々の香りなどが五感を刺激してくれます。室内に観葉植物を置くのも良いですが、ぜひ庭にも樹木を植えてください。窓からその樹木を眺めらるように、そして庭で触れ合えるように計画しましょう。

3.住まいの外観デザインの向上

 住まいづくりでは、性能や使い勝手も大事ですが、デザインも大事です。特に外観デザインはいろいろな人が見るため、気になるところです。しかし、ここでいう外観デザインとは奇抜なデザインでもカラフルなデザインでもありません。どうしても他にない独創的なものを求めがちですが、建物はシンプルなものが一番だと考えます。外壁を凸凹させてみたり、窓を必要以上につけてみたり、建物自体のデザインはそれで格好良くなるのかもしれませんが、コストもかかりますし、さらにメンテナンス時にもコストが必要以上にかかると思われます。全体のフォルムに気を配り、シンプルな住まいづくりをしたうえで、樹木を植えましょう。樹木を植えると住まいの外観を引き立ててくれ、格段に格好良くなります。

まとめ

 樹木は虫がついたり、落ち葉や雑草の処理などから、植えるのを避ける方もおられます。しかし住まいにとって樹木は重要なもので、その住まいの性能や価値を高めます。イニシャルコスト(初期投資)は掛かるかもしれませんが、うまく計画すればランニングコストは抑えられ、住まいする長い年月で考えるとトータル的にお得になると思います。ぜひ、植栽計画を建築計画と合わせてお考え下さい。
新緑

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