改修工事の概要
いよいよ、改修工事について詳しく説明していきたいと思います。今回の改修工事でやりたかったことは、以下の内容です。
- 住宅全体の断熱性能を上げる(特に天井)
- 全館暖冷房の計画
- 住宅設備機器の更新
- 照明器具の更新
- 外壁板張り部分の修繕及び塗装工事
大まかにこの5点について改修を行いました。 本来なら、どこかに仮住まいを借りて引っ越ししてから工事するのですが、今回は家族と話をして、引越しなしで工事をすることにしました。業者の人はやり辛かったと思いますが、実際の工事は1階工事と2階工事を分けて工事を行いました。いろいろ大変でしたが、それも今となってはいい思い出になっています。
1.断熱性能を上げる
断熱工事は全体的に行いました。しかしながら、生活しながらの工事で今ある家財などは、どこかに置いておかなければいけないので、今回の工事では和室を家財置き場にして、和室部分の改修は基本的に行わないこととしました。和室については真壁づくりのため、手を付けるとコスト的にも大きくなることも予測されたため、あきらめました。 新築当初の断熱性能は、天井の断熱性能が悪く、最近の夏は特に耐えられない状態でした。あと、壁・床は断熱材は入っていますが、不十分で快適とは程遠い状態でした。また、窓については、当時としては良い方だったと思っていますが、今となっては、断熱の弱点であることは間違いありません。 改修後ではありますが、今回、外皮性能の計算をしましたので、その結果も後々、報告させていただきます。
2.全館暖冷房の計画
健康で快適な住まいを考えるうえで大切なのが、暖冷房の計画です。日本では昔から、「暖をとる(採暖)」といい、ストーブやこたつなどで寒さを凌いでいました。しかし、この採暖はその場だけの効果しかなく、家中が暖かくなるわけではありません。ですから、トイレや脱衣所が寒く、とても不健康な住まいです。また、現在はほとんどの住まいにエアコンが付いていると思いますが、夏の冷房も間けつ運転といって、必要な時だけ付ける住宅が殆どだと思います。今までの住まいは暖冷房の計画が全くされておらず、健康で快適に住まえる住宅ではありませんでした。 健康で快適な住まいを手に入れるためには、断熱性能をしっかり確保したうえで、室内温度差が少なくなるような暖冷房の計画が必要になります。間けつ運転ではなく、連続運転で温度差の少ない、体に負担の少ない住まいづくりを目指します。
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最近は、住宅の断熱性能も少しずつ上がってきているように思いますが、暖冷房は間けつ運転(人がいるときに稼働し、いない時は停止する)が多く、まだまだ日本の住宅の温熱環境は良くないと感じています。間けつ運転では暖房室と非暖房室での温度差が大きく、トイレやお風呂に移動する際に急激な温度変化があり、体に負担が大きい環境になって
3.住宅設備機器の更新
住宅設備機器は、10年もすればかなり性能が上がっているものもあります。導入した時期にもよりますが、今回は更新した方が良いものが多かったです。省エネの観点から見ると、給湯機は大きいと思います。住宅における年間のエネルギー消費で、給湯のエネルギーはとても大きな割合を占めます。今では「エコキュート」というヒートポンプの給湯機が一般的ですが、自宅を建てた当初は「エコキュート」が出始めたころで、「電気温水器」が主流だったように記憶しています。何も知らずに「電気温水器」を導入しましたが、エネルギー消費を考えると最悪の選択でした。この辺のエネルギー消費についてもこれから計算していきたいと思います。 トイレも随分と進化してきています。新素材のものも出てきましたが、昔ながらの陶器のものも進化しより汚れが付きにくく手入れしやすいものになっています。あと、流す水の量が格段に少なくなりました。これについては賛否両論あると思いますが…。素晴らしいことだと思います。
4.照明器具の更新
新築当初は、照明器具はほとんど蛍光灯で白熱灯もまだまだ現役の器具でした。しかし、現在ではほとんどがLED照明に変わりました。東日本大震災のあとからだった気がしますが、LED照明の価格が一気に下がり、照明器具メーカーのカタログもLED照明一色になり、蛍光灯の器具すら、ほぼ載らなくなりました。LED照明が出始め当初は、白熱灯や蛍光灯と光の質が違うため、交換すると暗く感じたり、色の見え方が違ったりと多少問題があったように思いますが、現在はかなり改善され、問題なく使えていると思います。照明にこだわりのある方には、物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、個人的には、省エネを考えると、LED照明の一択だと思います。
5.外壁板張り部分の修繕及び塗装工事
新築当初から、外壁は2階を板張りにしています。板張りの場合は、やはり定期的なメンテナンスが気になるところです。板張りなので塗装もしていましたが、やはり、西面、南面が5年ぐらいから塗装が落ちてきたなと気になる感じでした。そして、年月が進むにつれて、板の実(さね)が外れ、広がってきたので、修繕を決断しました。塗装も塗りなおしましたので、改修後は大変キレイになりました。 メンテナンスのこともあり、板張りを避けられる方もいるかと思いますが、軒の深さや張る面を気を付ければ、素材感も良いし、とてもおすすめしたい材料ではあります。
次回は、新築当初の内容で「外皮性能」の計算した内容を報告したいと思います。もし興味がおありでしたら、ご覧ください。コメント等もあれば、是非お願いします。
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